石川県戦没者墓苑 ロシア人墓地 室生犀星墓

  • 2016.08.27 Saturday
  • 22:35

今朝、起きると外は雨でした。

昨日までの文学碑めぐりの続きをと思っていたのですが、歩くとびしょ濡れになるような雨だったのでほとんど歩かなくてすむような所はないかと考えてみました。

そこで浮かんだのが野田山のロシア人墓地

五木寛之の「朱鷺の墓」に金沢のロシア人捕虜が出てくるのでそこから思いついて行ってみることにしました。

 

それは野田山の忠霊塔と呼ばれる場所。

石川県戦没者墓苑にあります。
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一面に芝生がある広場に戦没者の慰霊碑や墓があります。

親の月命日ごとに野田山には来ており、我が家の墓のすぐ近くにもかかわらず、この場所に来るのは十数年ぶりぐらいかもしれません。

おびただしい数の墓が並ぶ野田山墓地の中にあって、この広い空間は特別な場所という感があります

 

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石川県満蒙開拓者慰霊之碑

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忠霊塔

 

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ロシア人墓地

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墓の前には駐日ソ連大使による記念植樹があります。

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第2次世界大戦において捕虜といえば狭いところに監禁されて過酷な環境下におかれていただんだろうなと想像しますが、この日露戦争当時の金沢の捕虜はそうではなかったようです。

先日行った石川県歴史博物館の常設展のところにロシア軍捕虜の生活 というコーナーがあります。

そこには食料としてパンとソーセージがあり、それを見たとき今食べてもいいような食事であり、当時の日本人よりももしかしたらいいもの食べていたんではないかと思うほどでした。

実際、捕虜と行っても金沢の街を歩いて行動できるような立場にあったようです。

そんな当時のことは「朱鷺の墓」でもわかります。

また、室生犀星の「性に眼覚める頃」の小説の中の時代背景はちょうどその頃であり、ちょっとした一節にロシア人捕虜の文字が出てきます。三時の散歩に茶店による捕虜のことが書かれています。

 

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しかしながら、日露戦争の日本軍の戦死者の数をみるととても悲惨な戦争だったことには間違いないようです。

「二百三高地」という映画を観たことがあります。

映画の中では金沢も舞台になっており、金沢にあった第9師団のことも出てきます。

金沢弁も金沢のロケ地も出てきたのでとても印象深い映画でした。

その第9師団の兵が次々に二百三高地で倒れていく場面は戦争の悲惨さを描いていました。

また、「坂の上の雲」にもそんな様子が出てきます。

 

下の墓は小さいですが、その一つ一つに名前と住所が刻まれています。

能登の人、富山の人、福井の人などなど

それを見ると、映画や小説で知るのとは違ったリアルなものが伝わってきます。

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戊辰戦争、西南戦争というまさに明治維新に軍隊という形のものが出来てから太平洋戦争までの戦没者の慰霊の場所となっています。

昭和27年から県主催の戦没者慰霊式が毎年夏にありここが会場となっていたようです。

しかし2年前から遺族の高齢化のため室内のいしかわ総合スポーツセンターが会場となりました。

 

今や親や祖父母ですら戦争を知らないといった世代が大半になろうとしている時代。

なかなか真実の戦争を知るすべがなくなってくるのは間違いないのでこういった場所はより大切にしていかなくてはならないと思います。

 

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次に室生犀星の墓へと向かいました。

確か、案内標柱があったと思い、それを探して反対方へ行ってしまいましたが、なんとか見つけることが出来ました。


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すっきり綺麗に手入れされた墓地です。

水鉢があったりと不謹慎かもしれませんが庭の趣のようでもあります。

いかにも作家、犀星の場所といった感じです。

 

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犀星の墓の横に表棹影墓地と書いた案内標柱がありました。

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それをだどっていくと小さなお墓。

横に明治39年建立となっています。

表棹影は犀星の友人であり詩人で「性に目覚める頃」に出てくる実在人物です。

その中で表は18歳という若さで結核のため亡くなっています。

 

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「性に目覚める頃」は短編ですが出てくる舞台が金沢であり、犀星が住む雨宝院、裏を流れる犀川といった場所が描かれ、友人の表は西町に住んでいたりとか具体的にそういったことが出てくるので金沢人としてとても想像を掻き立てられる小説です。

 

おわり